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歌うワーニャおじさん

9月17日、元さんこと、山元清多さんの通夜の開始時刻に、初日の幕を開けた。
チェーホフの戯曲を黒テントでやろう、と発案し、自らが脚本を担当する予定だった元さんが、再度、入院を余儀なくされたのは、6月下旬。7月1日、東京女子医大におきあんごと見舞いに行ったとき、岩戸町の黒テントの稽古場ではチェーホフの三人姉妹の読み合わせを、斎藤晴彦さんが中心となってやっていた。そのときに、ワーニャおじさんをやるとは決まっていなかったので、おそらく、約2カ月ほどで今回の舞台を作り上げたことになる。しかも、A班・B班のダブルキャストというから驚きである。斉藤晴彦さんの演出で、訳は松下裕さんのものを使用した。
「歌う」という表題をつけ、ミュージカル・チェーホフとのキャッチコピー。曲は古賀義弥、演奏は吉村安見子。
A班のワーニャおじさんは、内沢雅彦君。元赤い風で、盛岡での元さんのワークショップを契機に黒テントに入団した。もう、20年以上も前のことだ。元さんには、内沢君の入団のことでとても心配をかけた。そんなこともあって、この初日の舞台鑑賞は、ことさらに思いが入った。内沢君の登場のたびに胸が締め付けられた。
開演前、一緒に行ったおきあんご、伊勢二朗と、上演時間の話になった。音楽劇だから、そう長くはないはずだ、長くて2時間近くじゃないかな、などと勝手に考えていた。新幹線で座りっぱなしで疲れていたせいもある。伊勢二朗はチェーホフは退屈しそう、と思っているので余計心配している。私も、ロシアの長い名前が苦手なので短い上演時間が望ましい。
予想に反して、上演時間は長く(2時間40分)、芝居は退屈しなかった。
退屈しない芝居は、読後感もよい。なによりも内沢君の演技のすさまじさと、これも予想外の歌のうまさに驚いた。
ラストシーン。さまざまな思いの中、ソーニャとワーニャが二人残り、ソーニャの「私たち、生きていかなければ」という台詞は、諦観の中の複雑な思いがまじりあった台詞だった。現代社会は閉塞状況にあるという。これまで大切してきた価値観が失われ、人々は、絶望の淵に立たされる。身を捨て命を絶つか、そこから逃げるか、どちらの道もとることのできない現代人は、一体どうすればよいのだろう。それでも、生きていかなければ・・・。
内沢ワーニャは、激昂と諦観の落差を見事に演じきっていた。
2時間40分、あっという間の2時間40分。その日は朝5時まで飲んだ。

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プロフィール

坂田裕一

Author:坂田裕一
1952年12月13日生まれ。
B型いて座
岩手県盛岡市在住
大学時代から演劇活動を行い、現在も継続中。
劇団赤い風所属。
岩手県演劇協会会長。
日本演出者協会員。
NPO法人いわてアートサポートセンター副理事長。

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